こちらの施設は以前の記事にもちらっと登場しております(冨坂さん、この続きはいつ頃?)。
2006年『ナイゲン』初演会場となった3階大会議室、今回の稽古場はそのワンフロア下でした。
役者さんが本番同様の席順で着席して、「アップゲーム」から稽古スタート。
頭と口がいっぺんに温まりそうな(慣れない方ならオーバーヒートしそうな)準備運動です。
数種類あるゲームはいずれも、規則性に従って特定の台詞や動作を座席順に言ったりやったりするものです。たとえば以下のように。
・007:「ゼロ」→「ゼロ」→「セブン」→誰かに銃を向けるポーズで「バーン!」→撃たれた人は「うっ」と倒れるor「カキーン!」と跳ね返す→倒れた人の両隣は「大丈夫?」と心配、跳ね返した場合は両隣の人が「わー」と跳弾を避ける→「ゼロ」に戻る
・たこ八:「1」→「2」→「3」とひとりひとつずつ数をコール。同時に自分のいずれかの肩を叩き、叩いた側に順番が回っていく。ただし4のときは叩く動作のみ、8のときは「たこ八」とコールし両手でシェー≠ノ似たポーズを取る。頭上の手が向いた側の人からまた1に戻って繰り返し
似た光景をどこかで観たことがあるような。
慣れてきたら複数のゲームを次々に切り替えながら順番を回していきます。番記者は傍で見ていただけでしたが、耳から煙が出そうになりました。
15分程でアップ終了。冨坂さんから台本のブロック分け指示があり、内容変更が比較的少ないという1年生発表内容審議のブロックの稽古が行われました。
座って一通り台本を読み上げたのち、動きを交えた実際の演技に近い稽古へ。
一場面演じると冨坂さんの指示が入り、台詞や演技を変えてまた演じる、の繰り返しと積み重ね。
「道祖神」代表者役・信原久美子さんの一言「1年だから」をより嫌みにするための試行錯誤。
「視線を合わせず、即答で」との指示を受けて。
禁断の落書きを晒されて焦ったおばか屋敷が全力のパスカット! 紙が床に落ちてしまい、流れが滞ったかと思いきや「大男が這いつくばって拾うさまが面白い」とこの後採用が決定。
「舞台は生もの」とよく言われますが、それなら稽古は「生きもの」でしょう。しかも一分一秒ごとに姿を変え全体の大きさもつかみ切れない、変形菌もびっくりの怪生物です。
「ここだけ3年≠カゃなくて3年生≠ノ」といった驚くほど細かい指定が入る一幕もあり、話はなかなか先に進みません。「お客さんに伝わるのか」「あと30分ぐらいしかないけど大丈夫なのか」と怪生物の全身像が見えないまま戸惑っていたのですが、役者さんによればこれが普通なのだそう。
(併せて「演じながら思いついた台詞が採用されたりもする」と教えて下さった篤史さん、その後採決の場面で「Iは地球をすくうはここで賛成すると思う」という意見が実際に採用されていました)
変幻自在の怪生物・稽古はいまだ謎だらけ、底が知れません。