話題が妖怪画の鳥山石燕(せきえん)から「侵略者としての桃太郎」にまで転がっていく「アイスクリースマス」代表者役・津和野諒さんと「花鳥風月」代表者役・淺越岳人さん(新旧アイスクリースマスコンビ!)、演出助手・鎌田(かまだ)将一朗さん。その向こうからは一心不乱に台本と向き合う監査委員長役・沈ゆうこさんの声が聞こえてきます。
東京試演会即完の報に沸いたりしつつ、15時半頃には大半の方が着席。
今回のアップゲームは「指名ゲーム」を中心とした組み合わせでした。
まずは指名する順番を決定・記憶し、その順番通りにひとりずつ次の人の名前を呼んでいきます。
そこに、次に自分が指名する人以外の誰かに「ボール(タオルや新聞紙を丸めたもの)を投げる」「相手目がけて手を叩く」「タッチして場所を入れ替わる」などの追加ルールが増えていきます。
ボールが飛び、人が入り乱れ、「クラップ止まってる!」「違う!」などの声も飛び交う室内。
16時過ぎに冨坂さん到着、諸連絡ののち本格始動。今回は作品後半、一時退出した花鳥風月が戻ってくる場面以降の稽古が行われました。
花鳥風月のやるせなさをより効果的に表現すべく「いいの≠チて……それ聞いちゃう?」を「……ねぇ?」に変える前後。
「どさまわり」代表者役・塩原俊之さんに迫る場面。3年生3人の位置関係や移動の流れを模索。
今回稽古した作品後半には、登場人物同士の衝突や摩擦、すれ違いを描いた印象的な場面がいくつもあります。
たとえば3年生同士のやりとり。
(番記者は道祖神が席を立つ場面を昨日だけで何度見たかわかりませんが、毎回ビクッとしていました)
たとえばどさまわりの独演会。
たとえば監査委員長説得合戦。
どれも数分の場面です。程なく冨坂さんから「ストップ!」の声がかかり、指示が飛び、役者さんからも意見が出ます。そうして立ち位置や動き、台詞の語句や発声・アクセント、演技のタイミングなど、大小の変更がいくつも加えられます。
その過程で、登場人物同士の関係がより明確に描き出され、さらには人物それぞれの存在感も増していく。この日の稽古では「複数を描くことで個々が際立つさま」がよりはっきり見えたように感じられました。
ちなみに稽古終了後には、宣伝美術・蒔田桃菜さん宅にてコメフェス特番視聴会が開催されました(蒔田さんご夫妻どうもありがとうございました)。
とは言えグランプリ獲得の余韻にいつまでも浸っていたわけではなく、
番組終了後には『ナイゲン(全国版)』チラシの修正作業が行われておりました。
アガリスクエンターテイメントは、既にその先を見ています。