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ナイゲン潜入記その10 10/10(土)京都公演2日目昼公演・夜公演

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作りつけの低い手洗い場や廊下の隅にひっそりと置かれた古いオルガンは、ここがかつて確かに小学校だったことを主張している。しかしひとたび会場に足を踏み入れれば、外光が遮断され天井に照明機材が並ぶ「教室」とは明らかに異質な場が存在する。
(もちろん黒板に残る五線譜や舞台照明の隙間の蛍光灯など会場内にも教室の名残は多々あるのだが、教室そのものだったにしすがも創造舎と比べるとその差は歴然としている)
学校であり劇場でありそれでいてそのどちらとも違う、掛け値なしの非日常空間。それが元・立誠小学校の印象である。
その非日常空間に影響されたのか、全会一致の場面で役者さん達と一緒になって拍手してしまった。
直後に気がついて文字通り顔から火が出そうになったが、今ではむしろ開き直っている。
テレビじゃ物足りないと思ったから、どんなに華やかなお芝居でもオペラグラスがないと見えないんじゃつまらないと思ったから、小劇場にたどり着いた。
飛び散る汗まで見える距離が、舞台上の熱気に取り込まれるような感覚が癖になって、何度も足を運ぶようになった。
釣られたっていいじゃないか、だって小劇場のそういうところが好きなんだから。
……とは言うものの、もし役者さん達に聞こえていたらと思うと、やはり少し恥ずかしい。

過去2回の再演を見て、座席の位置によって見え方が大きく異なるということは把握していた。そのため、東京試演会では教室後方席右後ろ寄り、京都公演では1年生側席黒板寄りと教室後方席左前寄りというように、ここまで全て異なる場所から観劇した。
結果、これほどまでに見えるものが違うのかと今更ながら驚いている。「誰の顔が見える/見えない」という話にとどまらない。各場面の中心となるやりとりの外側に面白いシーンがいくつも見えてきたのだ。
文化書記が海のYeah!!と付き合っていると聞いたおばか屋敷が途端に顔を背けて不機嫌な表情を見せたり、浮気発覚の場面で投げつけられた不運なドキンちゃんがその後そっと拾われていたり、落ち着こうとスポーツドリンクを飲み始めたIは地球をすくうが直後にハワイ庵の台詞を聞いてむせていたり、海のYeah!!の泣き落とし土下座を見た監査がそっぽを向いて心底嫌そうな顔をしていたり、「一昨日の件」について探りを入れるおばか屋敷を花鳥風月が限りなく無表情に近い呆れ顔(?)で見つめていたり、席を立ってすっかり無気力無関心状態だったアイスクリースマスが文化書記の「浮気相手じゃん!」にはしっかり反応していたり。

一度でも『ナイゲン』を観たことがある人を片っ端からつかまえて聞いてみたい。
「Iは地球をすくうがおばか屋敷と3148を隠し撮りしようとしてたところ見ましたか?」「そっちからはなにが見えましたか?」
何度観ても足りない気がする。まだ気づけていない面白さが、きっともっとあるはず。
ツアーファイナル・東京公演の千秋楽までに、あといくつ見つけられるだろう。


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