こんなお題を出されたとしたら、あなたならどう答えますか?
以下は『ナイゲン(全国版)』文芸助手応募者課題と格闘していた今年の5月、まだ「番記者」でなかった頃の番記者が考えた答え(に、5か月後の番記者がツッコミを入れたもの)です。
1. 義務に信念、私欲に意地。すべては会議終盤20分のために。
「二文で紹介となると、とにかく簡潔にまとめなきゃな」と考えた結果。いくら何でも削り過ぎです。
2. 制限時間は1時間半。ラスト20分の奇跡を信じ、高校生は会議を続ける。
ちょっとだけ情報量が増えたものの、やたら時間に関する情報に偏っています。確かに重要な要素ではありますけども。
3. 内容限定会議終盤20分。高校生達が見た光明は、あなたにもきっと見える。
一向に情報量が増えないまま、なぜかいきなり詩的な表現に走り始めました。時間の呪縛も根強く残っています。
4. 高校生活に情熱を注げなかった人にこそ見て欲しい。会議終盤――彼等が見た色は、あなたにもきっと見える。
「紹介してください」に引っ張られたのか、急に「ターゲット」を意識し始めました。どんどん「概要」から遠ざかっています。
5. 文化祭の発表内容、信念、想い人、体面、感覚、自分自身、思い出、仲間、そして「内容限定会議」。
以上、彼等が1時間半かけて守ろうとしたもの全部。
このへんでやっと「概要」のことを思い出したようです。やってることは「羅列」ですが。
6. 高校生達は議論する。
文化祭のため、クラスのため、主張するため、議論するため、良心のため、保身のため、信念のため、カッコつけるため、あるいは――仲間のために。
登場人物全員の「戦う理由」を盛り込もうとしたもの。文化副委員長や文化書記の葛藤は網羅しきれなかったようです。
7. かつて文化祭に燃えた人も、距離を置いていた人も、彼等のガチバトルを体感せよ。
すべてはラスト20分、鮮烈なる青春ジグソーパズルのために。
ここへきてなぜかまた「概要」から遠ざかってしまいました。時間の呪縛もちょっとぶり返しています。劇中に仕掛けられていたいろいろな要素が会議終盤で一気に集約されていく見事さを、何とかうまいこと表現しようと試みたようですが。
8. 『十二人の怒れる男』よりも軽快に、『12人の優しい日本人』よりも爽快に。
暮色に染まる教室で構築される、青春仕様のルーブゴールドバーグマシン。
「既存の有名作品を知っている層には、タイトルを入れて直球で既存作品との差を訴えよう!」と考えました。もはや完全に出題者の意図から外れているような気がします。
ちなみに「ルーブゴールドバーグマシン」というのは要するに「ピタゴラ装置」のことです。7番のありきたりなたとえよりもっといい言い回しがないものかと頭をひねった末に「結果だけ見ると押し付けられた企画を受け入れただけ≠セけど、そこに至る過程にはさまざまな策略とひらめきと葛藤と説得がある」という構図が、ピタゴラ装置の「結果だけ見るとちっちゃい旗立てたりするだけ≠セけど、そこに至る過程にはさまざまな仕掛けの積み重ねがある」というところと似ている、と考えてこう書きました(わざわざ小難しげなカタカナ語を持ってきたのは「ピタゴラ装置」よりかっこよく見えるかと思ったからです。ごめんなさい見栄張りました)。
「せっかくいくつか考えたんだし、出せるのひとつだけとはどこにも書いてないもんな★」と拡大解釈して、残りふたつの課題の答えと一緒に8個全部提出しました。
その後、いろいろあったりなかったりで、現在に至っています。
閑話休題。さて、皆さんならどんなふうに表現しますか?
東京試演会・京都公演をご覧になった方はもちろん、初演・再演・再々演をご覧になった方も、動画やDVDをご覧になった方も。
東京公演を観戦できるという方も、どうしても参戦できないという方も。
各種SNSで、あるいはブログで、皆さんの〈二文で『ナイゲン』〉を教えてください。
まだ『ナイゲン』を知らない人達に「『ナイゲン』ってこんなお芝居!」と伝えてください。
二文です。短いです。「感想文書くの苦手」という方でも大丈夫なのです。
来月13・14日の東京公演は、言わばツアー公演の最後を彩る「お祭り」あるいは「花火大会」です。
そして、祭りの場で一番大きなエネルギーを持っているのは見物客です。押し寄せる人波です。
どれだけの力を生み出せるか、どこまで魅力的なお祭りにできるか、最後の最後は客席の皆さんにかかっています。
本番まで残すところ2週間あまり、まだまだどんどん盛り上がっていきましょう!